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【紙を徹底観察してみよう・コート紙編】コート紙とは?種類によって違いはある?
【紙を徹底観察してみよう】第2弾はコート紙編です。
パンフレットやチラシなど、カラーの印刷物を中心に幅広く使用されているコート紙。前回の記事【紙を徹底観察してみよう・上質紙編】では、銘柄によって白さや手触りに違いがあることがわかりましたが、コート紙はどうなのでしょうか?
今回はコート紙の中でも、使用頻度の高いA2コートを並べて、観察してみました。
コート紙とは
コート紙とは、上質紙や中質紙をベースに、印刷再現性を良くする白い塗料が塗られている用紙です。
上質紙に比べて印刷時の発色が良いのが特徴で、パンフレットやチラシ、カタログなど街中で見かけるといっても過言ではありません。
紙の表面に光沢感があるコート紙をグロスコート、表面の光沢が少なく、マットな質感のコート紙をマットコートと呼びます。
グロスコート、マットコートのどちらもコート紙ですが、一般的にはコート紙というとグロスコートを指すことが多いでしょう。(以下、この記事内の「コート紙」はグロスコートを指します。)
コート紙は塗られている塗料の量によって、グレード分けされています。
A2コート、A3コートなどと呼ばれ、なかでもよく使われるのが、塗工量が20g/㎡前後のA2コート紙です。ちなみにA3コートはA2コートよりも塗工量が少なく15g/㎡前後で、チラシや雑誌の本文などに使われています。
今回はA2コートで実際によく使われている銘柄を比較してみました!
使用した銘柄
・ミューコートネオス-F
冴えた白さと印刷面のグロス感が特徴。印刷作業性にも優れる。FSC認証紙。白色度86.5%
・オーロラコート
白さ・光沢感・印刷再現性いずれも高品質。薄物から厚物まで幅広く取り揃える。白色度86%
・OKトップコート+EF
高いレベルの印刷再現性と印刷作業性を実現したOKトップコート+のFSC品。白色度85%
・雷鳥コート
紙の光沢、印刷時の光沢度のどちらも高く、印刷再現性も良い。白色度85%
・Sユトリロコート
安定した品質で白さ・光沢感のバランスの取れたコート紙。白色度84%。
白さを比較してみよう
前回の上質紙と同じように、紙の白さを測る尺度である白色度が高い順に並べて、比較してみました。
左から、ミューコートネオス-F、オーロラコート、OKトップコート+EF、雷鳥コート、Sユトリロコートです。
……正直なところ、肉眼では違いがわからない、という観察結果に。
写真でも同じに見えてしまいますね。
一番白色度が高いミューコートネオス-Fが86%、最も低いSユトリロコートが84%なので、たった2%しか差がないからかもしれません。
ただ、じっくりと観察しているうちに、少しずつ違いが見えてきました!
それは、白さの方向性の違いです。
ミューコートネオス-F、雷鳥コートは青みがかった白、OKトップコート+EF、Sユトリロコートは黄みがかった白に見えました。オーロラコートはちょうど真ん中、プレーンな白といえるのではないでしょうか。
フルカラー印刷では、白は印刷するのではなく、紙地を生かした表現にすることも多いですよね。
デザインによって、青みがかった白のコート紙か、黄みがかった白のコート紙か、使い分けるとよりレベルの高い紙選びができるかも!?
あくまで人の目の判断なので、他の人が見たら違う結果になる可能性もありますが、参考にしていただければ幸いです。
上質紙と比較してみよう
続いて、コート紙と上質紙の違いを観察してみました。
【手触り】
コート紙:スケート場の氷のようにツルツル。
上質紙 :紙の質感を感じるさらっとした手触り。
【光沢感】
コート紙:光沢感が強い。光を反射している。
上質紙 :光沢感なし。光の反射もない。
【紙のコシ】
コート紙よりも上質紙の方がコシが感じられる。
なかでも紙の光沢感が印刷物に与える影響は大きく、コート紙は写真の多い印刷物、上質紙は文字の多い印刷物に使用されることが多くなっています。
光の反射があると写真が美しく見える一方、文字は読みにくいからです。
例えば料理の写真が載っているチラシならコート紙、取扱説明書なら上質紙を選んだ方が紙の個性が生きるでしょう。
環境面からコート紙を選ぶ
環境面に配慮した印刷物が増えてきた昨今、コート紙もFSC認証紙が選ばれる機会が多くなっています。
FSC認証紙は、管理された森林から切り出された木材を使用している用紙です。FSC認証紙を使うことは、違法伐採にNOを突きつけ、森林保護に貢献しているという意思表示になります。
今回ご紹介したコート紙の中では、ミューコートネオス-FとOKトップコート+EFがFSC認証紙です。
当社ではOKトップコート+EFを在庫しているほか、ミューコートネオス-Fの平判はすべてFSC品で在庫しています。
FSC品は在庫が揃わないこともありますが、当社はFSC品も大量に在庫しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
コート紙は上質紙に比べると、銘柄ごとの差は小さいといえるでしょう。
しかし、じっくりと観察していると、白さに方向性の違いがあることがわかりました。
また、上質紙とは手触りや光沢感などに大きな違いがあり、内容によって使い分けをすることで、よりクオリティに高い印刷物に仕上がります。
環境面に配慮する場合は、FSC認証紙のコート紙を選ぶと良いでしょう。
次回の記事ではマットコートを徹底観察する予定です。お楽しみに!
※本ページの記載内容は、更新時点での情報になります。
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